アフリカ旅行記⑤
動物と、緑の惑星と
翌日はツァボ国立公園へ
夕陽をバックに動物のシルエットを
見てみたかったのだ
マサイマラ国立公園が有名だけど
佳子ちゃんから写真を見せてもらった時に
惹かれたのが、赤土の美しい、ツァボだった
電車の窓から国立公園が見える
象、キリンたちが顔を見せてくれて
その度に大興奮
電車に乗っている途中
ともちゃん、ちょっといい?と佳子ちゃんが
わたしの頭の、おでこの真ん中に手を当てる
『ここ、気になるんだよね』
触れられると、頭が勝手に動いてきた
『宇宙人の時代に
相当嫌な目にあってきたんだと思う
ここがすごく締め付けられてる』
と佳子ちゃんが言う
そういえば
映画とか、頭を締め付けられるような
装置が付けられているシーンを見るのが
本当に嫌だった
目が何度も、何度も、勝手に激しく
ぎゅうとつぶる動作をする
閉じたままの口も大きく動く
締め付けられてきたものを
自由に解放してあげるかのように
頭蓋骨も、目も、口も、頬も、動く
だから、宇宙のことを
否定してきたのだと思った
宇宙人も、宇宙船も、あるわけない
スターウォーズを見た時も、
こんな世界あるわけない、バカじゃないの?
と昔は思っていた
佳子ちゃんが宇宙語のようなものを
話しながら、解放していってくれる
あまりよく覚えていない
思い出すことすら辛かったのだ
けれど無意識はわかってたのだろう
勝手に涙が頬を流れて
吐く呼吸とともに次第に頭が緩んできた
佳子ちゃんは咳き込んでいた
こんなこと珍しいという
わたしも出国前に久しぶりに咳き込んで
なかなか治らなかったので
その気持ちがよくわかった
座りながら佳子ちゃんの胸に手を当てる
胸の奥を感じながら
いつもは言葉を使って誘導するけど
ふと、右手をアンテナのように上に向けて
角度を合わせて
宇宙から信号を受けとるようにした
宇宙からの信号を直接胸の奥に流すように
すると、佳子ちゃんが反応しはじめて
胸の奥が開いてきた
『ともちゃんさ、アンドロメダ星だね』と
佳子ちゃんが言う
『わたし色々の人の受けてきたけど
この身体の治し方って
あんまり会ったことない…
アンドロメダ星人の時に、この治し方してたね
だから手が覚えているんだね。すごい』
佳子ちゃんが続ける
『ともちゃん、宇宙連合にもいたと思うよ
それで色々な星にいって、その星の様子とか
調査したりしてたよ
仕事ができていいポジションにいたと思う
だから、いまでも色々な国に
行くんじゃない?』
わたしは何星とかよくわからないけど
でも不思議としっくりきている感じがした
去年からの
宇宙の扉を開く一連の流れの中で
徐々に開いていったからこそ
このタイミングで
ケニアで佳子ちゃんに会っているのだろう
そうこうしているうちに
ツァボ国立公園駅に着いた
緑と湖が広がる開放的なロッジで
とても美味しいランチをいただいたあと
いざ動物
ゴツゴツとした岩まじりの丘を
右手に見ながら
車は青空も緑と赤土の道をひた走る
アカシヤやそのほか
日本では目にしたこともないような木々が
美しく宇宙に向かって伸びている
『雨季だから緑が多いんだよね』
ブルンジツアーがなければ、きっと
観光シーズンの乾季にきてたと思う
雨季に来るべくしてきたのだなと
実感する
『ここ、宇宙のどこかの緑の惑星みたいだね』
地球なんだけど、地球ではないような
底から沸き起こってくるような
大地のエネルギーを感じるけれど
とてもクリアで優しくて包まれているような
特別な空気感がそこには存在した
木の周りにいる
赤土を身にまとった象たち
木の幹に身体を擦り付けるので
幹が赤い
年の積み重ねがそのままシワとして
刻まれたかのような姿だ
何にも迎合しない、凛とした出立ちで
湖のほとりに佇むヒローラ
白と黒のコントラストが
美しく映えるシマウマ
mudanda rockという古い時代に
肉を干していた大きな岩の場所に立つ
時がとまったかのような
しかし悠久の時間が着実に積み重なった
大地の鼓動がそこにはあった
野生の動物が大好きで
少しでも長い時間、動物に携わりたかった
というガイドのJamesさんは
象と同じようなとても優しい目をしていて
わたしたちの感覚とも溶け合っていた
夕焼けの美しいこと
象やキリンが橙に変わりゆく空をバックに
悠々と草を食べている
心も身体も宇宙と大地とつながり
扉が開き、覚醒していった
その日の夜のこと
裸事件!?が起こる
→続く
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